ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ 「HIDE AND SEEK」
■ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ 「HIDE AND SEEK」 2005年・米
■監督 ジョン・ポルソン
■製作 バリー・ジョセフソン
■製作総指揮 ジョー・カラッシオロ・Jr.
■脚本 アリ・シュロスバーグ
■音楽 ジョン・オットマン
■キャスト
ロバート・デ・ニーロ (デヴィッド・キャラウェイ博士)
ダコタ・ファニング (エミリー・キャラウェイ→デヴィッドの娘)
ファムケ・ジャンセン (キャサリン→医師)
エリザベス・シュー (エリザベス→デヴィッドのご近所さん)
エイミー・アーヴィング (アリソン・キャラウェイ→デヴィッドの妻)
ディラン・ベイカー (ハファティ保安官)
メリッサ・レオ (ローラ→キャラウェイの隣人)
ロバート・ジョン・バーク (スティーヴン→ローラの夫)
モリー・グラント・カリンズ (エイミー→エリザベスの姪)
デヴィッド・チャンドラー (ハスキンズ→仲介人)
<あらすじ>
母親の自殺を境に、心を閉ざしてしまった娘エミリー。
父親であり心理学者のデヴィッドは、ニューヨーク郊外に移り住み、エミリーの治療に専念する事に。
しかしエミリーは、引越し後も回復せず、いつしか空想上の友達チャーリーとの会話を楽しむようになる。
出演が、ロバート・デ・ニーロ、ダコタ・ファニングと聞くと、おのずと面白そうな映画だと思ってしまいますね。
WOWOWで10月に放送すると聞いて、とても楽しみにしていました。
とりあえずビデオに録画してっと!
監督は、ジョン・ポルソン。
30歳頃までは俳優として活躍し、その後、監督業に変更しつつある方です。
題名の「ハイド・アンド・シーク」は「かくれんぼ」と言う意味ですので、かくれんぼが重要な鍵になってくると想像出来ます。
大人になってみると「かくれんぼ」って言葉が妙に怖いんですが…
子供の時は、特別何も感じませんでしたが、ホラーちっくな遊びですね。
夕方・・・日が傾きかけた時のかくれんぼ。
なんか怖い!!
<もうさっさとネタばれに突入!>
いや~、ロバート・デ・ニーロとダコタ・ファニングの怪演、楽しませていただきました。
やはり素晴らしい俳優さんたちです。
演技に引き込まれました。
特に、郊外に引っ越し後のシーンからは、常に気が休まる事がなく、次から次へと展開が早かったですね~
一気にラストまで突っ走りました。
母親の自殺を目撃した少女エミリーが心を閉ざし(当然ですよね)、その治療をかねて、自然の多い田舎町に引越しをする父娘。
えっ?じいちゃんと孫娘だよね?
(違います!)
娘を想う父親像をデ・ニーロは完璧に演じていたと思います。
また、心の病気を持つ暗い少女と言う難しい演技をこなすダコタ・ファニングも、超怖い…
彼女は笑っていても怖いです。
まずは引越してすぐ、エミリーは何かに誘われるかのように洞窟に近づき、それ以降、急にチャーリーの存在が大きくなって来ます。
さて、チャーリーとは?
ここがポイント。
心を閉ざした子供が、自分の中に友達を作りあげると言うのは有りがちなので、チャーリーは、エミリーの心の友達なのか?
チャーリーは、名前から男の子と想像出来ます。
そして、父親のデヴィッドを嫌い、凶暴性があり、エミリーに命令し、そして支配。
エミリーは、初めはチャーリーと共に、デヴィッドを困らせて楽しんでいる印象がありました。
それが次第に、チャーリーのご機嫌を取るような態度になり、最後にはチャーリーへの恐怖でいっぱいに。
エミリーの心の変化と同時に進行するのが、デヴィッドの見る夢です。
夢のシーンが徐々に長くなり、彼の潜在意識を垣間見る事が出来るようになってきます。
目覚めるのはいつも夜中の「2:06」
その後、チャーリーからの警告が。
バスタブにはられた血の水、赤いクレヨンで書かれた脅迫…
この時デヴィッドは、「このクレヨンはエミリーのものだし、字もエミリーのものだ」と言ってるんですよね。
しかし、エミリーはチャーリーの仕業だと。
まあ、わたくしもエミリーが書いているんだと思っていました。
10歳くらいの子が書いたような文字だったし。
しかし、何か違うぞと思ったのは、エリザベスが、エミリーの部屋に入って来たシーン。
「今、チャーリーとかくれんぼをしている」と言うエミリーの言葉に、エリザベスは興味を持ち、チャーリーがどこに隠れているのかエミリーに問います。
クローゼットだと教えるエミリー。
エリザベスは、チャーリーなんて居ないと思っているのか、恐怖心もなくクローゼットを勢いよく開けると!
何かが出て来て、それに驚いたエリザベスは2階から転落死。
・・・え?
何が出て来たの?
ここで皆さんはいろいろ考えてオチまで辿り着いてしまうのでしょうが、わたくしは極力、映画を観る時はオチまでは想像しないようにしています。
まぁ、もしかしてそうなのかな?と思わずには居られないシーンも多々ありですが…
デヴィッドが、どうしてエミリーの部屋の窓が壊れているのか不思議に思い、下を覗き込むシーンの時は、ちょいとドキドキしました。
何があるんだ、その窓の下には…
何もない。
何もないんですよ!!
『ハロウィン』のブギーマンじゃないんだから、「一人で歩いて行った」はないですよね!?
(↑もしかして、たとえがマイナー過ぎ?)
この辺りから、エミリーはチャーリーの存在が恐ろしくなって来ます。
誰かにチャーリーの事を相談したいけど、チャーリーが監視している。
エミリーの恐怖は、とても重く深いものだと感じます。
泣きながらデヴィッドに見せたおもちゃの時計…
2:06をさした針。
このシーンの時、はっきり言ってザワッと鳥肌が立ちました。
エリザベスの遺体をバスルームまで運ぶ作業、エリザベスが乗った車を移動させる作業、これは完全にエミリーには出来ない業…
もうここまで来ると、「オチは想像しない派」のわたくしも「なるほど」状態になってしまいますた。
ラストのエミリーの変化には脱帽。
健康的でふっくら太った感じがまたカワイイですね。
やつれきった役から一転して普段の生活に戻った彼女。
演技が上手いです。
画面は移動し、エミリーの書いていたイラストに…
その絵を見てまたまた鳥肌が立ちましたよー
誰が居るの?そこには・・・
ここで、ちょっと考えてしまったのですが、エミリーの中にも、誰かもう1人いるって事でしょうか。
その人は、チャーリーか、全然関係のない人格か。
それは判りませんが、ふとデヴィッドの「このクレヨンはエミリーのものだし、字もエミリーのものだ」と言うセリフが浮かんで来ました。
もしも本当にバスルームの文字を書いていたのがエミリー(エミリーが認識していない誰か)だとしたら?
そういえば、ある時、暗闇が苦手なエミリーが、「部屋のドアを閉めて!」って言うシーンがありました。
ドアを閉めたら真っ暗闇になってしまうのに…
あれはもしかしてエミリーではない?
この家には、デヴィッド、チャーリー、エミリー、謎の人格…の4人が住んでいるとも考えられなくはないでしょうか。
全部観終わって感じた事。
まず、お隣のご夫婦。
この人達、とっても意味深な行動やセリフがあったのですが、何も関わりなしですか?
「まさかスティーブがあんな事を…」みたいなセリフを奥さん言ってたのですが、あれは何なのでしょう。
とても疑問です。
あともう1つ。
エミリーが初めてパパの中に居るチャーリーを意識した(会った)時は、さぞかし驚いたでしょうね~