小六のB級A画館 by569.exblog.jp

ジュリアス・シーズー・小六です。ほぼネタばれ有り、ややB級寄りだから、ご注意を。ここでは気に入っている映画&海外ドラマを紹介してます。画像・イラストの無断持ち出しは禁止でございまする。


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ジェリー 「GERRY」

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■ジェリー 「GERRY」 2002年・米

■監督 ガス・ヴァン・サント
■製作 ダニー・ウルフ
■脚本 ガス・ヴァン・サント、マット・デイモン、ケイシー・アフレック
■編集 ガス・ヴァン・サント、マット・デイモン、ケイシー・アフレック
■音楽 アルヴォ・パート

■キャスト
ケイシー・アフレック (ジェリー)
マット・デイモン (ジェリー)


<あらすじ>
若者2人がドライブ休憩で荒野を歩き始めるが、次第に道が判らなくなってしまい車に戻れなくなる。
はじめの内は、2人で会話を楽しんだり、何か目印がないか探したりするも、徐々に危機を感じるようになり…



面白かったですねー
まず、乾き冷え切った空気感。
景色が美しい事が魅力的です。
本当のアメリカの砂漠地帯を体感できます。
なかなか日本には無い景色ですからね。
2人の心の動きに注目して観てください。


監督は、『誘う女』(1995)、『グッド・ウィル・ハンディング/旅立ち』(1997)、『エレファント』(2003)のガス・ヴァン・サント。

キャストは、『リプリー』(1999)、『ブラザーズ・グリム』(2005)のマット・デイモンと、『誘う女』(1995)、『グッド・ウィル・ハンディング/旅立ち』(1997)のケイシー・アフレックの2人のみ…と言う異色作です。

監督ガス・ヴァン・サント、マット・デイモン、ケイシー・アフレック、この3人で脚本と編集を担当。
自分達で作り上げた作品と言う感じでしょうか。

ケイシー・アフレックは、苗字を見るとお気づきでしょうが、ベン・アフレックの弟であります。
顔は…それほど似てないかなぁ?
ケイシー・アフレックの奥さんは、やはりハリウッドスターのサマー・フェニックス。
やはり苗字で判るように、サマー・フェニックスのお兄様方は、かの有名なリヴァー・フェニックス&ホアキン・フェニックスです。
すごい俳優一家だなー


<ここからネタバレに入ります!>

マット・デイモンとケイシー・アフレック、この2人だけのシーンに終始されます。
役名は…無し。
2人ともお互いを「ジェリー」と呼んでいます。

ジェリーとは、恥ずかしい失敗をした人やその状況などに対して呼ぶ造語みたいですね。
日本だと「ヤバイ」とかでしょうか。
だから、お互いを呼ぶ時は、ヤバ男?(寒っ)
例えが見つからん…スミマセン


まずは、ドライブ中のシーンから始まります。
2人がどこから来てどこへ向かっているのかなどの設定は描かれていません。
もうそんな事はどうでもいいんですよ!

途中、トイレ休憩を入れるために車から降り、「荒野の小道」と名づけられた遊歩道をただなんとなしに歩き始めます。
この間も、お互い特に会話がないのですよ。
黙々と歩いているのみ。
景色が移り行くだけです。

しかし、どちらともなく走り出して、急に駆けっこが始まるような、そんなツーカーの仲なんだなぁ…とすぐに判ります。

そうこうしている内、次第に知らない道を歩いているような感覚に襲われ始め「あれ?ここはどこだ?」状態。

停めた車に戻るつもりが、全く違う方向へと進んで来てしまったようです。
こんな広大な砂漠地帯、さっきまであったはずの遊歩道は?
果てしない地平線の向こうまで見渡せる丘に登っても、道路は見えません。

夜がやって来て、焚き火を囲み語り合います。
話の内容は、今この状況とは全く別世界の話。

この状況はどうでしょう?
わたくしだったら、すごい先々の事まで考える性質なので、既にパニックに襲われているかもしれません。
でもこの2人、意外に冷静で、「まあ、そのうち戻れるよ」風を装っているようにも見えます。
それともここでパニックになったらダメだ!と言う自制が働いているのでしょうか。


この辺りまでは、まあまあ余裕なんですよね。


ケイシー・アフレックが、勢いで、大きな岩の上へ登ってしまい、その場所から降りられなくなるシーン。
ここから少し状況が変わってくると思います。

約5メートルはあるかと思われる岩から飛び降り痛がるケイシー。
よく骨折しなかったなぁ~
しかし、その後も歩き続けます。
水も食料もなく、休む事なく歩く2人。

景色が移り、時には砂漠、またある時には山の頂、平原、渓谷、岩塩湖。
何故歩き続けるのでしょう。
止まって待つ事は出来ないのか。
止まって思案する事は出来ないのか。
2人を見ていて辛くなりました。
声を荒げる事のない冷静な2人。
どちらが悪いのか、どうしてこうなったかと、お互いを責めない2人。
強い友情が感じられます。


1つのカメラで撮り続ける方法がまた効果的です。
ただひたすら歩く2人の背景には、この状況には似つかわしくない素晴らしく広大な景色が映っています。
映画の終盤、2人が前後になってトボトボと歩くシーンは、夜明け前から歩き始め、徐々に太陽が昇り、辺りが明るくなるまで、1カットで撮影しています。
このこだわり!


遭難して3日目。
ケイシー・アフレックがマット・デイモンに向かって、懇願するように「もうダメだ」と一言。
ここで、マットのとった行動は!!

なんと、ケイシーを殺すんです。
いままでケンカもせずにひたすら助け合ってきた相棒を殺すんですよ!

この選択は一体…
どのように解釈をしたらいいのでしょうか。

彼を殺して自分もすぐに死ぬだろうと思っていたのか。
彼の目が「どうか死なせてくれ」と言っていたのか。
自分自身、この極限状態で精神を病んでいたのか。



それは観る人によって違うのかもしれません。
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by by569 | 2006-11-17 20:29 | サ行