横溝正史シリーズ 八つ墓村 #3
<あらすじ>
ついに辰弥は謎の洞窟の存在を知る事となる
その洞窟には多くの謎に満ちていた
そしてついに第4の殺人が発生する
<ストーリー>
田治見久弥の初七日法要時、関係者の目の前で殺害された洪禅の配膳をしたのは辰弥
一気に疑いの目が辰弥に集中する
が、そこで助け舟を出したのは金田一耕助だった
「ちょっと薬草について知人に確認したんですが、丑松さんと、そして久弥さん殺害に使われた毒の正体は、この村のどこにでもあるトリカブトです。よそ者の辰弥さんはトリカブトについて知る良しがないと思いますが」
一同シ~~ン
金田一と日和警部は、全く犯人の意図が理解できなかった
「辰弥が、毒入りの膳を洪禅に渡すとは誰にも判らない」
「犯人の意図は、殺害は誰でも良かったんでは?」
翌朝
朝食後、辰弥は、慶勝院の梅幸に会いに行く
一体、梅幸は辰弥に何を告げようとしているのだろうか…
辰弥が歩いていると里村慎太郎が待ち伏せしていた
「美也子の所へ行くのか?」
そんなの関係ないよね~
しかし、村歩くだけでみんなの視線がいやだな~
梅幸を訪れても誰も出てこない
嫌な予感がする
帰った方が良くね?
床に血の滴る音…
天井を見上げると梅幸が血だらけでぶら下がってた
えっと…
これで、第4の殺人か?
発見者が辰弥で、また疑われちゃうよ
しかし今回の死因は毒殺ではなく絞殺
昨夜、金田一耕助に毒殺を見破られ、殺害方法を変えたようだ
梅幸の家で金田一は紙切れを拾う
そこには、人名が記載されていた
丑松久弥
洪禅
梅幸
既に死んだ者の名前を横線で消している
これは殺人計画メモではないか?
その他にも
麻呂尾寺の長英
濃茶の尼妙蓮
森壮吉
小梅小竹
片岡吉蔵
などの名前が書かれているが…
一方、田治見家へ戻った辰弥は、連日の嫌な事件を忘れるためか?久々に酒を飲んでいた
「母さん~」
酒飲みながらまた母親に語りかけてるよ
つい、花瓶をひっくり返し、屏風を汚してしまった
…が、しばらくするとすると、水がかかった部分から文字が浮き出て来た
なんとそれは、母・鶴子が、好きだった亀井陽一氏に宛てた文らしい
文章は不鮮明で良く見えないが『竜の顎』と読める部分がある
鶴子が辰弥に残した地図にも『竜の顎』と書いてあるが、一体どこの事を指しているのか判らない
深夜…
双子婆さんが辰弥の寝ている離れにコッソリやって来る
「ぐっすりじゃな」
「はよ行こう」
ってどこに行くのよ
辰弥は寝たふりをしてとりあえず小竹小梅の動きを探る
すると、暗闇に能面の目が突然光り、目が覗き穴になっている事に気づく
覗き穴の存在、辰弥にばれちゃったよ
気づかれないよう覗き穴から奥を見ると、小竹小梅が隣の部屋の隠し扉からどこかへ入って行くではないか
面白そう~~
辰弥も婆さんたちの後を追う
隠し扉の向こうは、なんと!洞窟
なんだなんだ~
ゲームっぽいなぁ
こういう展開わくわくするなー
奥から小竹小梅が戻ってくる気配を察知し辰弥はUターンし寝たふり
翌朝
金田一耕助と日和警部は、梅幸の所で見つけたメモを見ながら頭を悩ませていた
「我々を惑わすために置いていったメモかも」
日和警部の予想は
マスクをした富蔵が怪しい
里村慎太郎も怪しい
馬の仲買人吉蔵も怪しい
小竹小梅も怪しい
ほぼ、全員じゃん
金田一「この筆跡は久野の字に似てる」
よし、早速、日和警部と共に久野医院へ
すると「夏ごろ、カバンごと盗まれた」と久野恒美は言う
「この筆跡はあなたでしょう?」
「わしゃ、しらん!!」
ダメだ、こりゃ
夜になり辰弥はまたしても隠し扉の向こうに広がる洞窟散策
これは、楽しいなぁ~~
迷路状の洞窟をウロウロしていると、外へ繋がる出口に何故か森美也子が立っていた
「どうしてここに?」
「あなたこそどうして?」
ワザとらしいなぁ
森美也子怪しいのか?
「今後辰弥さんには近づかないでくれって言われたの」
「何だって?でもボクは君が好きだ!」
マジで?
その時、外に人の気配が
洞窟からコッソリ外を覗き見ると、藪の中を急ぎ足で里村慎太郎がどこかへ向かう所だった
一方、金田一と日和警部
日和「あの後、久野がとんずらしたよ」
金田一「逃げ出したって事は、あのメモを書いたのは久野先生だって事だな。でも彼が犯人とは思えないんだよなぁ」
日和「今夜辺り、何か起きそうな気がする…」
よそず屋のかずこの推理だと
「小竹婆さんか小梅婆さんのどちらかよ」
ちょっと行ってみるか
金田一と日和警部は田治見家へ
小竹小梅、2人とも元気だった…
ホッとしたような残念なような?
辰弥と美也子は相変わらず洞窟探検
すると誰かの気配が
恐る恐る近づくと、人ではなく鎧だった
「こんな所に鎧が飾ってある…」
「あ!鎧の中に誰か居るわ」
白骨化しているが確かに人間が鎧の中に居た
「一体誰なんだ?」
森美也子は震えながら囁く
「26年前に行方不明になったあなたのお父さんよ」
(第4話へつづく)