陰謀のセオリー 「CONSPIRACY THEORY」
■陰謀のセオリー 「CONSPIRACY THEORY」 1997年・米
■監督 リチャード・ドナー
■製作 ジョエル・シルヴァー、リチャード・ドナー
■製作総指揮 ジム・ヴァン・ウィック
■脚本 ブライアン・ヘルゲランド
■音楽 カーター・バーウェル
■キャスト
メル・ギブソン (ジェリー・フレッチャー→タクシー運転手)
ジュリア・ロバーツ (アリス・サットン→司法省)
パトリック・スチュワート (ジョナス)
シルク・コザート (FBIラウリー捜査官)
スティーヴ・カーン (ウィルソン→アリスの上司)
テリー・アレクサンダー (フリップ)
<あらすじ>
タクシー運転手のジェリーは、何者かの陰謀によって世の中は動いていると信じている。
しかし、挙動不審で神出鬼没、且つ記憶も曖昧な為、周囲からは変人扱い。
ただ1人アリスだけは、ジェリーに対して親切に接するのだった。
なんと!!
素晴らしく面白い。
この作品に対しては、あらすじも確認せず前知識なしだったので、ハッキリ言って、観る前までは、『ペリカン文書』風なのかな?と、イメージしていました。
政治がらみのトラブルで、ジュリア・ロバーツとメル・ギブソンが暴きながら逃げるアクション…みたいな。
それが、全然イメージ違ったんですよね~
いや~驚いた!!
監督は、『オーメン』(1976)、『リーサル・ウェポン』(1987)のリチャード・ドナー。
キャストは、タクシー運転手ジェリー役に、『ブレイブハート』でアカデミー監督賞を獲得したメル・ギブソン
司法省に勤めるアリス役に、『エリン・ブロコビッチ』(2000)でアカデミー主演女優賞を獲得したジュリア・ロバーツ
事件の鍵を握るジョナス役に、『スター・トレック』シリーズのパトリック・スチュワートなど、ベテラン勢ぞろいです。
オープニングクレジットが終わり、ワーナーブラザーズの「WB」マークが、そのままバスの広告にすり替わって映画が始まる辺りも、とても粋な演出ですね。
↓ここっ、要チェック!!
その1.タクシーの乗客役で、リチャード・ドナー監督が出演しています。
その2.ルーズヴェルト病院のドクター役で、メル・ギブソンの弟のドナル・ギブソンが出演しています。
是非、確認してみて下さい!
(WOWOWにて鑑賞)
<以下ネタバレてます>
ビデオに録画しておいたものを、今、観終わった所です。
只今、感動しています~
もっと普通のサスペンスアクションをイメージしていたんですよね。
それが予想以上に面白くて、得した気分です。
この作品ってコメディ?
何故か笑ってしまうシーンがたくさんありました。
彼らは至って真剣に演じているシーンのはずですが、それが妙に可笑しくて。
こんな真剣な映画で、ゲラゲラ笑ってしまうとは、果たして良いのだろうか??
メル・ギブソン演じるジェリーが挙動不審過ぎて、ややイラつく感も否めませんが、それは仕方がありません。
実験台だったのですからね。
しかし洗脳って、いつかは解けるものですか?
それとも永遠に解けないものですか?
ジェリーの過去の記憶は戻るのでしょうか。
アリスも始めは、ジェリーの言葉を素直に聞き入れていた訳ではありませんが、彼の言う通り、本当に鼻を怪我した男が現れたり、彼の向かいのベッドに居た患者が翌朝亡くなったり…
半信半疑のまま、ジェリーに対して耳を傾けるアリス。
でもな~、あんなにあっさりジョナスの言葉を信じるとは、ちょっとガッカリしましたね。
ジェリーがこう言ったから信じて、でもジョナスがこう言ったからジョナスを信じる事に、しかしやはりジェリーの言葉を信じて…って、アリスさんよ。
次々とすぐに信じないで、もう少し自分自身で検証したり、またはもっと自分の感を信じてくださいね~
弁護士でしょう?
そんなすぐに惑わされては…
そのせいで、アリスを心配して一緒に来た上司のウィルソンも殺されてしまった訳で。
もちろんアリス自身も危険な目に遭いましたが。
最後にジェリー・フレッチャーの墓が映った時は愕然としました。
ええ~死んじゃったの!?
後味悪い映画だな…
と思いきや、さすが~こう来たか!
「当分の間はアリスに会っちゃイケナイ」けど、いつかまたきっとね!
ここでの疑問…
1.本当に「MKウルトラ計画」は存在したのか?
2.CIA側のジョナスがアリスに対して、「CIAの極秘機密を誰かが盗んで、ジェリーに同じような実験を行なったから、彼は危険人物なんだ」と言ってましたが、CIA以外にも、本当に実験を行なっている組織があるのか?
または、アリスを信じさせるための、ただのウソなのか?
3.FBIのラウリーが、「ジョナスの黒幕を突き止めたいからジェリーが必要だ」と言っていたが、ジョナスが死んで一件落着ではないのか?
本当にもっと上に黒幕がいるのだろうか?
それは謎のまま。
作品としては重要な事ではないから、それほど追及せずに終わったのか…
このような陰謀が存在し、その犠牲になったジェリーと彼を救った彼女の勇気を描いた作品でした。